待宵の数え唄

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一つの音に 一つの気持ち 二つの心に 二つの揺らぎ 三つの夢に 時は満ち あなたへと続く道を照らす ため息よりも切なくて 抱擁よりも染みわたる 体をはみ出たこの気持 どうして言葉で言えましょうか 四つ言葉を 探したならば 五つ気持ちが 湧いてくる 六日の菊に ならぬよう あなたへと続く道を歩む 七重の膝を 八重に折り 九つ時を数えたら 十日の光を待ちましょう ため息よりも切なくなくて 抱擁よりも染みわたる 体をはみ出たこの気持 どうして伝えずにすむものか 一つの音に 一つの気持ち 二つの心に あふれる幸を 十日の菖蒲にならぬよう あなたとこの道歩みましょう 十日の光を待ちましょう
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