陽のあたる坂道

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さて、どう説明したものだろう。 ヤンキー相手に喧嘩した、なんて説明が面倒だし。 「コンビニに行ったんだよ」 嘘ではない。 「何を買いに行ったの」 「マーマレード」   <<<<<>>>>> 「おいおいどうしたんだよ! あの低頭平身かつ石橋を叩いて渡るくらいなら渡るのを諦めるような都築が! 青信号みんなで渡ってもまだ怖いような伊月君が、怪我するなんてありえねぇ!」 教室に入ったところ、まず僕にかけられたのがこれだ。 クラスメイトかつ僕の友人、紫宮智行の大音声。 おかげでクラスメイトから奇異の目線を多く集めて、僕はうんざりした。 教室の中にはいくつか会話した後に僕を置いていった神崎もいる。 その中で僕は紫宮の言葉を聞かなかったふりをしてそのまま自分にあてがわれている席へと向かい、紫宮はそれまで話をしていたのであろう友人達の輪から外れて僕の元へとやって来た。
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