陽のあたる坂道

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  <<<<<>>>>> 今日一日は散々だった。 それが本日、高校生としてのお勤めを果たした僕が下校途中に登校してから後の一日を思い返しての評価だった。 あれからあとも多くの友人、知人に怪我のことを問われながらも、結局は良い返答を出来なかったのが一番の原因だ。 思いつく返答のどれもが曖昧な、要領を得ないものになってしまうのだ。 そんな一日だったため、僕は今朝も通った道を辿りながら、学業から身を解かれた開放感よりも大きな後悔を感じる。 僕は臆病者だ。 他人が怖い。 他人から見た僕は何かおかしくはないだろうか、集団で浮いてはいないだろうか、そんなことばかりを気にかけて生きている。 人から注目を浴びるのは苦手だ。 目立てばそれだけ関心を持たれる。 そして関心はいずれ二つにのどちらかに変化するのだ。 嫌悪か、好意か。 つまりは僕は僕自身に自信がないのだ。 好意を抱いてもらえるとは思っていない。 目立てばその分、嫌われると思っている。 だから僕は今、こんなにも陰鬱とした気持ちで帰途についているのだ。
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