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「作戦の件についてはまた後日連絡させてもらう」
我は確認するように2人をへと交互に目を向ける。
2人とも特になにもないということようだ。
長いこと引き留めておくのも悪いだろうか?
しかし、このままだだ呼んだだけで終わるのも悪い気がするが……
そう考えながら、我はとりあえずキイトの動きを見ることにした。
「今日はわざわざ、呼び寄せてすまなかった」
「いえ、魔王様と話せただけで嬉しいですから」
キイトは手をパタパタとひっきりなしに動かす。
そんなに手を動かしたら手がどこかにとんで行ってしまうのではないか? 非現実的なことだと分かっていても我はふとそんなことを思ってしまう。
そんな時だった急に1人の兵士が扉を慌てたように開けて中に入りビシッと、背筋を伸ばし大きな声で言う。
「連絡が途切れていた、旧魔王軍に潜り込んでいた者が帰ってまいりました!」
「な、なんだと、それは真か? すまぬケイトとキイトよ我は少し急用ができた。
こんな状況で申し訳ないが……」
「僕達のことは大丈夫だから、、急いで行って来て」
ケイトが軽く笑みを浮かべながら、我にそう言うとキイトも頷く。
「すまない」
我はそれだけを言うと、すぐさま部屋へと入ってきた兵士にどのような状態かなどを事細かに聞きながら部屋を後にした。
「いっちゃったね」
ドアが閉まる音を聞きながら僕は確認するように、キイトへと声をかける。
「そうだね」
彼は1つ大きく息を吐き出しながら、ゆっくりと肩を落とした。
「どうしたの?」
「魔王様の1人と話ができたから、緊張しちゃって」
キイトは軽く体をほぐすように動かしながら笑みを作っていた。
確かに僕もシャルガと初めて会った時凄く緊張したっけ?
そんなことを思い出しながら笑みを浮かべる。
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