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3人?が行く気満々で目を輝かせているときに、1人の魔族が慌てて声をかける。
声をかけたのは、さらさら長い紫の髪に赤色の瞳、整った顔立ち魔族の象徴でもある角を生やした青年の魔族の者だった
「ま…魔王様!そんな3人とも居なくなられては困ります」
すると3人?が魔族の方を見て言う。
「だって、せっかく平和にしたんだし……いいでしょ?」
黒髪の少年は口元をニヤっとさせながら、そう言うと、今度は赤髪の少年と黒竜が畳み掛けるように口を開く。
「そうだ!だって本当は俺ら『魔王』なんて、とっとと引退したいぐらいだしな! キャッキャッキャ」
「我もいつの間にか巻き込まれただけだしな!」
「し、しかし、魔王様達が不在になると……」
魔族の彼は軽くうろたえながらも、なんとか魔王城に留まって貰おうとするのだが、それよりを遮るように、黒髪の少年が
口を開いた。
「大丈夫だって! 次期『魔王』候補のリルガ。お前が居れば安心だしな!人望も実力も平和を望む気持ちもあるんだから」
リルガと呼ばれた魔族の人は恥ずかしいのか、少し顔を赤くしていた。
「んじゃ…いってくるな!キャッキャッキャ」
と奇妙な笑い声を上げながら指をパチンと鳴らし消える赤い髪の少年と黒い竜。
「あ!ちょっと待ってください!」
リルガが慌てて声をかけるが時はすでに遅かった。
「まぁ、何か困ったことがあったら遠慮なく連絡してくれ、じゃあ任せたぞ!次期魔王のリルガ」
黒髪少年は微笑みながら言うと、赤い髪の少年と同じように指をパチンと鳴らすとその場から消えた。
「指パッチンで『転移魔法』が使えるのは、貴方達位ですよ?魔王様
それにどうやって、連絡を取れと言うんですか?」
次期魔王のリルガは1人盛大に、現魔王の行動に困ったと言わんばかりにため息をついていた。
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