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するとタクトが2人に視線を向けたままゆっくりと口を開く。
「治してあげるのは当然として……」
「ああ、わかってる キャッキャッキャ」
アツシが全部言わなくても分かってると言わんばかりに笑顔で言った。
今度の笑い声はちゃんと笑っていた。
ガルトスも静かに頷く。
タクトからアツシの順に呟くような声量で口を開く。
「もし『女神』を守りたいと言う気持ちと」
「平和を望む気持ちがあるのなら」
「彼に『魔王の祝福』を」
と最後に誰にも聞こえない声でガルトスが呟く。
2人と1匹は視線の先に居る、落ちこぼれと言われている少年を見ながら静かに口の端を持ち上げて笑顔を作っていた。
視線の先に居る少年は、そんな魔王達の視線に気がつくはずもなく校舎へと入っていった。
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