91655人が本棚に入れています
本棚に追加
皆が出て行って教室に僕とアリスしか居なくなった。
そんなガランとした教室に、1つ僕へと向けられた声が響いた。
「いきましょう?」
俯きぎゅっと手を握る僕にアリスは優しい口調で、僕へと声をかけてくれた。
「うん、行こうか」
僕は顔を上げて返事をしながら、彼女の顔を見てみると
微笑んでいた。
僕も微笑み返す。
「早くしないと、遅刻しちゃうもんね」
僕がそう言って立ち上がり彼女と一緒に早足で格闘場へと足を進めた。
丸いドーム型の格闘場に着くと皆が集まっていた。
すでに皆思い思いの武器を持っている、武器といっても、木で作られた物。
流石に鉄でできた物でやると、木よりも危険度が増すから鉄ではないらしい。
ちなみに先生はまだ着てないので遅刻にはならなかった。
時間ギリギリだったんだよね。
僕はそう思いながら、1つ息を吐き出すと、いつものように武器を選びにアリスと一緒に向かった。
槍、両剣、双剣、斧等たくさん武器の種類があり、木の籠の中に種類別に分けられ収めえられている。
僕はその中でも比較的短い刀を選んだ。
長さは70センチ。
何故短い刀かというと……
僕は魔力を使って身体強化ができない。
魔力の源を壊されてるからね……
身体強化ができる人とできない人では、力と速度が全然違う。
だから少しでも速度を身体強化のできる皆に近づけるために、攻撃範囲を捨ててでも軽くて扱いやすいのにしなくてはいけない。
だからと言って、ダガーとかだと攻撃範囲が短すぎる。自分自身がそんなに速度があるわけではないので……使えないのだ。
簡単に言えば、僕の武器を選べる選択肢は極端に少ないって事。
アリスの方を見るとどうやら彼女はレイピアを選んだみたいだ。
いつもレイピアを使っているから、いつも通りの選択。
最初のコメントを投稿しよう!