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腕の故障は既に克服済み。
だが、ブランクを抱えた俺の球が通じるのか?
しかもこんな大事な場面に俺を出そうだなんて無謀過ぎやしねーか?
もっと華々しく復帰戦ができると思っていた俺にとって監督のその無謀な賭けとも言える台詞は俺だけじゃなく周りをもあっと驚かせていた。
亮「なんだよ、力……自信ねーのかよっ」
!
その挑発とも言える亮の言葉と表情に俺は思わず冷静さを失ってしまった。
力「…っ……んなことねーつの!」
俺は亮の手にあった自分のグローブを奪い取った。
亮「そうこなくっちゃ……なっ!キャプテン!」
周りの部員達の視線が俺に集中したのを確認した俺は無言でグローブに手を突っ込んだ。
ベンチから見えるそのマウンドが俺を呼んでいる――
胸の鼓動が高鳴っていく――
だけど、それは不安とかじゃなく――
以前にも感じたことのある……それはとてつもなく俺を最高に奮い立たせる何かもっと凄い……
そんな俺に亮がボールを放った。
…フワッ……
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