蘇る感覚

5/7
前へ
/707ページ
次へ
…バシュッ…… グローブに入ったそのボールを右手で握った瞬間、俺の右腕が今か今かと疼き出す。 そんな俺の様子を見逃さなかった亮がニヤリと笑いこう言った。 亮「…早く投げたくて仕方なかったんだろ?」 そう……。 俺はずっとこの日を待っていた。 この日の為に犠牲にしてしまったあの日からの日々―― …水月…っ…… 思い出さない日なんて一度もなかった。 それでも俺はそれを打ち消さなければならなかった。 そうでないと、今の俺は……池川はやってこれなかった。 そしてそうでないと今俺はここにはいなかっただろうから……。 橋本「今晩は勝利の美酒が飲めるだろうか……なぁ……藤沢…?」 !! 俺は深く帽子を被るとそのツバにそっと触れた。 それは『了解』の合図―― 俺の周りにナインが集まってきた。 円陣を組んだ俺達―― 力「…いいな……まだ終わりになんかしねぇぞ?……しまっていくぞーーー!!!」 ナイン「おぉーーーー!!!!」
/707ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加