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…バシュッ……
グローブに入ったそのボールを右手で握った瞬間、俺の右腕が今か今かと疼き出す。
そんな俺の様子を見逃さなかった亮がニヤリと笑いこう言った。
亮「…早く投げたくて仕方なかったんだろ?」
そう……。
俺はずっとこの日を待っていた。
この日の為に犠牲にしてしまったあの日からの日々――
…水月…っ……
思い出さない日なんて一度もなかった。
それでも俺はそれを打ち消さなければならなかった。
そうでないと、今の俺は……池川はやってこれなかった。
そしてそうでないと今俺はここにはいなかっただろうから……。
橋本「今晩は勝利の美酒が飲めるだろうか……なぁ……藤沢…?」
!!
俺は深く帽子を被るとそのツバにそっと触れた。
それは『了解』の合図――
俺の周りにナインが集まってきた。
円陣を組んだ俺達――
力「…いいな……まだ終わりになんかしねぇぞ?……しまっていくぞーーー!!!」
ナイン「おぉーーーー!!!!」
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