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つもり?努力した、つもり?
｢つもり
｢いい加減｣
言いかけた言葉に、少し、そして初めて聞くイラついた声が被った
由貴の怒った声
｢…いい加減、もうやめようよ｣
何を、何が、
言いたいのに何でか声が出ない
また動揺してる、初めて感じる由貴に
｢喧嘩、ばっかりだし…。もう、分かんないよ俺｣
｢俺、みたいにガキで笑うしかできない奴じゃ、梨花は満足できないんじゃ、ないかなって｣
｢最近、ずっと感じてた｣
途切れ途切れ
由貴は多分、泣いてる
｢一生懸命、追いつこうって、思った。俺は収入ないし、ずっと下級サラリーマンだし｣
｢でも、そんな俺でも、梨花に追いつこうって｣
｢でも、もう、｣
｢梨花が、遠いぃんだ｣
｢ごめん、俺、の勝手だけど｣
｢梨花には、幸せになって欲しい｣
｢振られるのは、嫌だったから｣
｢俺から、言わせて｣
さようなら
あたしの声を言葉を、一切聞かずに切られた電話
かけ直す気にもならない
もう話す気力もない
でも、泣く力はあるみたい
真っ直ぐな由貴
いつも笑ってる由貴
大嫌い、由貴なんて
｢よし、き｣
嗚咽と涙に混じって出る名前を
あたしは一生叫べない
-fin-
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