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「君はだぁれだい?」 後ろにいたのは金髪。 後ろといってもかなり遠いが。 「俺の質問に答えろ!」 金髪は凄い勢いでこちらに近づいて来る。 「知らない。君のシグレと俺の紫莫。同じシグレかなんて知らない。なぜなら君のシグレを知らないから。」 その前に知りたくもないし。 「っ!答えになってない!」 とうとう俺の目の前まできて俺の胸倉を掴んだ。 「早く答えろ。なんでお前があの方の名前を呼ぶ。」 金髪の目は怒りに染まっていた。 「あの方って誰さ。説明が無いから分からないよ。」 俺はそんな金髪を見てニンマリ笑う。 初日からこんなんじゃ、何時までもつことやら。 「分かってんだろ?望月俊介。」 「俺の質問に答えてないのに何を答えろというんだ。もう一度言う。お前は誰だ。」 「俺は霧し「俺が聞いてんのはそんなことじゃない。分かってるよね。」 「・・・・・・。」 イライラする。 本当にイライラする。 "俺の可愛い・・・・。  何にそんな怒っているんだい?  ほら、こっちにおいで。" まただ。また、声が響く。 そうだよ。何時だってお前は勝手に俺の中に出てくる。 優しく、残酷に言葉を与える。 「・・・・・俺は、"アリス"。あの研究所で作られたあの方の・・・・さ、最高傑作だ!」 アリス。 名前の通りかぁ。 最高傑作。この俺よりも? 「へぇ。君がアリス。アリスかぁ。なら、俺も名乗らなくては。」 俺はニンマリ笑い、アリスの目を見た。 「俺の名前はチェシャ猫。アイツ、研究者霧島紫莫の一番の最高傑作であり、最高傑作と言われるヤツらの上に立つ者。鳥かごの主と言っても良いかな?」
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