40人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は声を合わせて、番組の名前を叫ぶ。一体どんな番組だったのかと思えば……動物好きしか見ないような番組だったのか……
「なにかと思えばそんな番組かよ……期待して損したよ。」
「そんな番組たぁ聞き捨てならねェ!あの良さが解るのは真の男だぜ、タクヤさんよぉ!」
「そーだそーだー、いいぞーカズちん!」
……なんかスイッチ入れちまったな。こりゃ止まりそうに……
「踏み外せばそこは崖!何日も耐え、震える足腰!孤独の先に待つ死への恐怖!その境地が解らんとは……タクよ、温いぞッ!」
「ヒューヒュー、カズちんかぁっくいー!」
こりゃもう完全に俺には止められないな……止められるとすると、後は……
そんな望みに答えるように、教室のドアが開く。
「あら?今日は私が最後?」
そう言いながら入って来たのは、最後のクラスメートの青原蒲乃香(アオバラホノカ)ちゃん。ぱっと見はお嬢様なのだが、住んでる所が同じ島なら食べてる物も同じ。どう栄養を吸収したら周りにキラキラが見えるのか、一度調べてみたいくらいだ。
「ほーのかぁ~!」
ほのかちゃんが来たのを見て、ユイが飛び付いていく。よし、これで一先ず動物レスキューの話は終わりだな。
「もう……ユイはいつも元気ねぇ……ほら、もうすぐ先生も来るから抱き着くのは後に……」
「むーりー。だって今日はタクが朝から話聞いてくれなかったもーん。だから朝からほのかのおっぱいパワーないとむーりー。」
そう言いながらほのかちゃんの豊かな胸に顔を埋めるユイ。畜生、俺もやってみたいぜ……!
そしてそれを見て、横から飛び出していくカズ。
「ほのちゃーん、俺もぉ~!」
「か、カズ君はそそその……」
「くおらー!神聖なほのかのおっぱいに近づくんじゃなーい!あたしがいる間はオスどもには指一本触れさせないからね!」
「ゆ、ユイ……じゃあユイもタク君達の前で、その……ぉ・・ぃとか言わないで……」
顔を赤くしながらほのかちゃんはユイに懇願する。ホント正反対な性格だな……
いつものメンバーが全員揃って一通りのゴタゴタを終えたたところで、鐘の音が鳴る。そのすぐ後に来た先生にたしなめられ、それぞれの席に着いた。
最初のコメントを投稿しよう!