~ハジマリノユメ~

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 それぞれの席に着いたところで授業が始まる。このクラスは4人、そう、俺達しかいない。小さな島の学校はそれに比例して小さく、小・中と一つの学校になっている。  毎年必ず誰かが入学するほど子供も生まれず、今までは中学生と小学校5、6年生、それとそれ未満の年齢のクラスの2つに別れていた。  しかし俺達の年だけは特別で一気に4人も産まれ、しかもその前後4年間は誰も産まれていないために、クラスを特別に俺達だけに分けたらしい。  4人も産まれたのは島を愛して離れなかったからだとかなんだとかいう理由で、島に感謝して島の名前、弥香(やか)島から一文字ずつ取って名前にしてあるくらいだ。  そんな仲良しの島の学校は授業も堅苦しくなく、先生と喋りながら勉強をする。学校の先生と言うよりは、家庭教師と言った方が的を得ているかもしれない。  そんなこんなで午前の授業も終わり、帰り仕度を始める。今日は土曜日だから、授業は午前中までだ。  鞄に教科書を詰め込んでいると、ユイが横から顔をつん出してきた。 「ね、ね、タク今日もどうせ暇でしょ?」 「人を万年暇人みたいに言うなよ……俺だってや」 「今日久しぶりにさ、みんなで麻雀やろうよ!」  また俺のセリフが……まぁ暇なのは間違いないけどな。  昔から大人達の集会に連れていかれて、大人の人達がやっている麻雀の席を覗いていたせいか、俺達はみんな麻雀が打てる。  もっとも簡単な点数計算だけで、符計算が出来ない所が大人とは違うが。 「お、いいなぁ!ほんと久しぶりじゃん?」 「今日こそは勝たせてもらいたいわね?」  どうやらカズとほのかちゃんは乗り気らしい。こうなったら俺も参加だな。多分意見は丸無視だ。 「きまり!じゃあ今日帰ってから……」  ……やっぱりな。まぁいつもの事なんだけど……なんか癪だな。うーん……あ、そうだ。 「……帰ってからいつもの集会場に集……」 「ちょっとまった!」  今度は俺が歯止めをかける。いきなりのストップにみんな目を丸くしている。 「な、何よタク……まさか参加しないとか言うつもりい?」 「まさか……参加はするさ、勿論」 「じゃあ一体何なの?ルール忘れた?」  ふう、と一息付き、みんなの顔を見ながら俺は続けた。
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