序の巻 -カンチ、登場にて候-

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「チッ、無視かいな…地獄に落ちてまえ」 舌打ちなどしつつ、恨み言を吐くこの男。 今は廃れてしまった袴を身にまとい、 腰には2本の刀を差している。 明らかに、異様だ。 「お悩み、ありませんかー!」 再び、客寄せを始める。 が、異質過ぎて誰もが避けて通る。 「クソ、しみったれた町やな…お、いい女」 道路を挟んだ向かい側。 若く、美しい女性が歩いていた。 それを見るなり、鼻の下を延ばしながら ダッシュで近づく。 「かーのじょ!なんか悩みごと、ない?」 「きゃ、な、何ですか?!」
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