序の巻 -カンチ、登場にて候-

6/7
前へ
/20ページ
次へ
「それで?!何か、お悩みはないでっしゃろか?!」 「きゃ!」 がっつくように女性の肩を掴むカンチ。 「あ、あの…離して下さい…」 「おっと、こりゃすまん」 言いつつ手を離す。 が、 「(小さくて、柔らかい肩やなあ…)」 また鼻を伸ばしている。 「カ、カンチさん?」 「あ、はい。それで、お悩みは?」 一瞬、女性は考える素振りを見せた。 しかし、 「今はない、ですかね…」 困ったように微笑みながら、そう返した。 「そっか…なら、何かあったら電話してや! 名刺に番号載せとるから」 「はい!じゃあ、また」 そう言って女性は去っていった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加