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「……ちっ!」
盛大に舌打ちをしたあと、背負っていたエナメルバッグを乱暴に床に置く
そのまま、聡はソファーに潜り込んだ
「……あー、なんだったんだよ。今日の奴ら!あんな奴らと三年間共に野球するんだろ?
………憂鬱だ」
ハァー、と大きな溜め息をついて立ち上がり、リビングの隣の部屋の和室に向かう。
「…………兄さん」
その和室は聡の兄さんの仏壇がある部屋だった
聡は線香に火を灯し、チーーンと仏具を叩く
「……兄さん、待っててね。俺が兄さんを甲子園に連れて行くから、兄さんが果たせなかった想い、俺が叶えるから。……俺が叶えるからさ。」
そう言うと、聡は和室を出て行った
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