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聡は自分の部屋に向かい、兄から受け継いだバットと重りを持ち、庭へ行く
ブンッ、ブンッ、ブンッ
「…兄さん、見てる?俺、またスイング速くなったんだよ!」
200回、素振りをした後、持ってきた重りをつけて、さらにバットを振る
ブーン、ブーン、ブーン
そしてまた200回振りきったところで、重りを外す。
「……兄さん、俺、最近パワーついてきたんだ!力瘤だってできる、腹筋だってもうすぐ割れる!今、腕相撲したら俺、勝っちゃうかもね!」
「……俺、久しぶりに兄さんの声が聞きたいよ。なんでもいいからさ、声、聞かせてよ」
聡はバットを握ったまま、庭に倒れ込む。
「……兄さん」
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