12人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「………でも」
聡は起き上がる
「「うるさい!!」」
突如、兄は大声を出し、起き上がり、聡の肩を掴む
「兄ちゃんはな、もう死んでんだよ!死人をいくら追いかけたって、その先には何もない!
何もないのを確認するために、聡は、自分を犠牲にするのか!
兄ちゃんはいつでも何度も言ってるじゃないか、『聡には才能がある』って。
その才能を無駄にするのか!」
「……グスッ、兄さん。」
「…聡、兄ちゃんの想い、伝わったか。」
「……うん、もう兄さんを追いかけないよ。俺は俺の野球をやる!兄さんのコピーじゃなくて、自分の才能を信じて野球をやるよ!」
「……おう!天国から、視てるからな。…………そろそろ、時間か、頑張れよ、聡。」
「……え、時間って?」
兄はニコリと笑うだけで、聡の呼びかけには答えなかった――
最初のコメントを投稿しよう!