第三章 食中毒事件

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出雲 「ひどい話だな…。」 池田は さらに話を続けた。 池田 「この事件を機に、 東京地検の特捜部は 乾焼軒に対して ある疑問を 抱いたわけだ。」 住吉 「疑問ですか?」 池田はそう言うと、 自分の 持ってきた資料を 机の上に置いて見せた。 どうやら 乾焼軒の 過去の 売り上げのグラフ のようだ。 池田 「5年前からの 売り上げ記録だ。 これを見て おかしいと思わないか?」 池田が聞いてみると、 先にそれを 住吉が気づいて答えた。 住吉 「あっ、ホントだ! 食中毒事件が あったにもかかわらず、 売り上げは 落ちるどころか 微妙に上がっています!」 出雲も 住吉に続けて言った。 出雲 「……普通なら、 それを知った客は 食べに行く気なんて 起きないんだがな。」
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