第一章 風変わりな検察官

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午前8時、 今日も澄みきった挨拶が 庁内に響きわたる。 彼女は「住吉希」、 25歳の女性検察事務官だ。 住吉 「おはようございます。」 検察官 「おはよう。 今日も相変わらず 定刻前に登庁するとは 感心だね。」 住吉 「社会人は常に 時間と約束を 守るのは当然ですよ。」 検察官 「そりゃそうだな(笑) 君のような 真面目な事務官なら 我々だけでなく 『アイツ』も 大助かりだろうな?」 住吉 「…その分、 私は少し 苦労していますけど。」 いつもここでは 何気ない会話が 常に交わされている のである。 そして いつものように、 住吉は例の 『アイツ』の部屋へと 向かっていくのだ。 「上級検察官執務室121号 使用・管理者    『出雲一剣』  」 扉のプレートには たいそうな 肩書きが添えられている。 「上級」、 確かに彼はそれに ふさわしい人物だ。 だが、 彼の功績を それだけで表現するのも 何か物足りなさを感じる、 住吉は プレートを見るなり そう思ったのだった。
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