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バタン
無情な音をたてて玄関のドアが閉まる。
しばらく光汰が出ていった後のドアをぼんやりと眺める。
光汰とは本当に終わったんだ。
信じられない現実から目を反らしたかった。
もう何も考えないで眠りたかった。
私は冷蔵庫を開け、光汰が来た時のために買ってあった缶ビールを一口飲んだ。
「苦っ…。」
苦みを感じないように、残りを一気に飲み干す。
アルコールに弱い私が酔うのには1本で十分だった。
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