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邦昭は、イラストを書くのが好きで時々しっかりと着色までした、動物や可愛い女の子のイラストを見せてくれた。
潤子はお洒落するのが大好きで、自分で洋服をアレンジしたりしてたんだけど、邦昭からイラストを習ってからはデザインまでするようになった。
私には、特に何も無かった。
「ねぇ、今日も邦昭の部屋で遊ばない?」
「いいよ。新しく書いたイラストも、何枚か見てもらいたいし」
「樹里、いつも通りにオヤツをお願いね」
「うん、いいけど……」
邦昭は、ご両親の都合もあって独り暮らしだったので、私達の溜まり場を提供してくれてた。
部屋に行き、邦昭と潤子がイラストとデザインを見せ合ってる間、私はキッチンでお菓子を作ってる。
私は、お菓子作りが趣味だったから。
「二人は将来、あっちの職業に進むんだろうなぁ」
漠然とだけど、キッチンから二人を眺めながらそんな風に思ったりした。
私は、お菓子を作ってそんな二人を応援してれば、自分も夢に向かっているような気分になれた。
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