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あくまであたしの主観であって、それは他の人には当てはまらない。 人は主観でしか見れないイキモノで、自分は他人を客観的に見てると評しながら、実際は自分の主観だけで見ているものだから。 と、そこで携帯が馴染みある色で光り、着信かメールの受信を告げた。 この色は、水色。 あたしにとってとても忌まわしい色であり、矛盾するかのように依存する人間を示す色。 ……彼だ。 心臓が早鐘をうつ。 これはきっと恋じゃない。 あたしは信じられない。 これは恐怖だから。 携帯のサブディスプレイを見る。 電話の着信を示すマークと、彼の名がそこに映し出されていた。
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