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「わからないわけないでしょ……?」 悔しい。 あたしの心を離さない、その貴方が。 そして、恐怖を感じながらも逃げ出すことすらできないあたしが。 『悠灯。愛してる』 甘くとけそうなほど、あたしを締め付けるその言葉が聞こえて。 つーつーと、通話終了を告げるむなしい音が耳から全身を駆け巡るように流れた。 それだけ言って、彼は切ってしまった。 愛してるって言えば、全て収まるのかな。 あたしが望んでるのは、締め付ける言葉じゃないのに。 でも、欲しい。 貴方の言葉以外の愛が。
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