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あたしと彼の関係はそんな感じ。
彼があたしをどんなに好いても、あたしは彼を求めても、それはお互いに一方通行な、エゴの塊のぶつけ合い。
だから、あたしは怖いんだ。
いつか、この微妙なバランスが崩れたとき、あたしは正気でいられるのだろうか……。
言葉で世界は救われるとか、何処かで聞いた。
そんなのウソだとあたしは言いたい。
言葉を紡ごうが、所詮は理想論。
想うだけならサルでもできる。
だから……あたしの想いは、砂上の楼閣である幻にすぎないのかな。
「愛してる……」
呟いてみる。
でも、世界は何も変わらない。
あたししかいないこの世界では、波紋すら起こらない。
「愛してる……?」
本当にスクラッチのように、銀紙をはがせてしまえばいいのに。
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