2

2/14
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
声が、声が、声が……! あたしの脳の中を支配する。 全てはあたしを傷つけるためだけに存在するものなのだと。 刻まれていく傷は、数を増し、今や数に慣れてしまった。 でも、怖い。 後ろから、横から、前から……。 ほら、あたしをせせら笑ってるんでしょう? こんなあたしを嘲け嗤って、みんなあたしが嫌いなんでしょう? どうしてあたしはここにいるのか、そんなんわからないよ! あたしの意思じゃないから。 耳を閉じても聞こえるんだ。 『あんたなんて、いなくても』 あたしは必要じゃないんでしょう!? 所詮は歯車といえども欠陥品。 ぼろぼろになった歯車は取り換えなきゃならない。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!