2

3/14
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
今日もほら、悪魔の鐘が鳴る。 何度も鳴らされる音。 それは、インターホンの電子音に似ているけど、あたしを外界<そと>に連れ出そうとする機械仕掛けの悪魔<ディアボロス・エクス・マキナ>でしかない。 どうせなら、全てを唐突に解決する、機械仕掛けの神<デウス・エクス・マキナ>がよかった。 どちらもあたしの名前が入ってるけど、意味合いは違う。 彼らにはあたしと違って、物事を動かす力がある。 ただ閉じこもって、泣き叫ぶあたしを嘲り嗤うように、彼らは遠い存在で、あたしは発作的にそれを掴み……、自身が血を流していたことに初めて気がついた。 いつ傷付けられたんだろう? こんなにも彼らはあたしのことを嫌って、消えてほしいと願うなら、なぜ一思いにあたしを殺さないの?
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!