スクラッチロール

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小説だとご都合主義で見つかる灰皿は、現実だと簡単には見つからず、喫煙はいけないことだと知らせるような世の中になっているらしい。

そろそろ尽きる灰が限界に近づいてきたのか、熱が手に近づく怖さ。

100円均一で買える携帯灰皿は、この状態だと手に入らない。
仕方なく地面に煙草を落とし、火は履いているパンプスのヒールでつぶした。

多少の後悔と、罪悪感があたしの中で芽生えるけどどうしようもない。

もう片方の手で持っていた青紫の携帯電話の存在を思い出し、画面をみる。

画面の中には、色とりどりの娯楽の世界が広がっていて、あたしはそれに安心感を得て、煙草のことなんてどうでもよくなった。