スクラッチロール

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擦ってめくっては、中身が出てくるけど、その下にあるものは保障されない。

出会いと別れ。
出会うときには、全て謎という銀紙に隠されて、会うたびに個人の言葉と行動がコインと化す。
別れるときには、もう他の銀紙がどうであろうが、中身に用はない。

恋愛もそんな感じだとあたしは思う。
出会ったときはどうしても欲しくて、中身を見たくて仕方がないけど、知ってしまったら捨ててしまう。
もしくは中身に興味を持てなければ、持ったとしても放置するだろう。

少しだけ自分の思考回路に嫌気がさして、あたしはショルダーバックからティッシュを取り出し、さっき踏みつぶしたピアニッシモをくるんだ。

この煙草も、言ってみればこの理論に当てはまるなんて、少し思いながら。