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ルーノはため息をつき、キーボードを押した
映像が再び流れる
『えぇ、いただこうかしら』
『こんなものしかないが……構わないかね?』
「おいおい…シャンパーニュじゃねぇか!超高級品だろ!」
「集めてる怪盗もいるっていうのに、ただの客に出すとは贅沢なことで」
ミミがグラスを手に取った
一瞬、グラスが画面から消えて再び映りこむ
『美味しいですわね。やはりお仕事柄手に入れやすいのですか?』
『これは手に入れるのになかなか苦労しましてね……いやいや、だからといって遠慮なんかなさらないで下さいよ?』
カールは終始笑顔を絶やさない
それからしばらく二人は雑談を交わした
画面が時折動き、ミミが内部の様子を少しでも伝えようとしているのが分かる
「……なぁ、このオッサン、こっちに気付いてないか?さっきから目線が……」
ティラが言うようにカールがこちらを見ているような気がする
首から下げたペンダントが映した映像ならば普通なら視線はやや上にあるはずだ
「君もきっとこうなるよ」
「は?」
ティラは首を傾げる
「本当、人の胸ばかり見てて最悪よコイツ。女の人ってどこを見られてるかぐらい分かるんだから」
ティラは横目でミミの胸を見る
「……まぁ仕方ないわな」
『さて、そろそろビジネスの話を…』
カールの表情がほんの一瞬変わった
『…えぇ。構いませんがちょっと待っていただけますかな?』
ミミが不思議そうな表情を見せるとカールは続けてこう言った
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