103人が本棚に入れています
本棚に追加
そして何かを打ち込む動作を見せると鍵が開いたような音がした
『こうでもしなきゃゆっくり寝ていられないんでね』
カールが扉を開くと廊下が一本
雰囲気はガラッと変わり、装飾は全く施されておらず、壁一面が金属になっているのが確認出来る
廊下の中程でカールが急に立ち止まった
『…どうかしました?』
『いや、ちょっとな』
再びカールは歩きだした
廊下の先には一枚の扉
そこを開けると、またまた一点して煌びやかな部屋が視界に飛び込む
『…ふん、相変わらず悪趣味な部屋だな』
『お褒めの言葉と受け取っておきますよ』
飾られているお宝はどれも一級品のものばかりだった
ミミでさえも思わず感嘆の声を漏らすほどだった
『さてと…こちらの品をご所望でしたかな?』
カールが一つの棚の前に立つ
『えぇ。でも本当にいいのかしら?』
『この棚にあるのは大したことありませんからね。言わば二級品ですよ』
『じゃあ、あちらの棚はどうかしら?』
ペンダントのレンズの先には拳ぐらいはありそうな宝石が並べられている
『あれはさすがにちょっと受け付けられませんね』
『あら?じゃあ盗みだすしかないのね?』
『ハッハッハ!お嬢さんが言うと冗談に聞こえないですな!』
『ふふ。確認させてくれてありがとう。お金は今度来た時でいいかしら?』
『えぇえぇ、もちろん。信頼があって始めて成り立つものですからね。見せるだけならいくらでも』
ここまでくるとカールの笑顔が不気味な程だった
最初のコメントを投稿しよう!