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とある大学のとある部屋。地味で目立たない所にあるその部屋に、彼らはいた。
「これより!新入り歓迎会を始めます!」
二つ合わせた長テーブル。その入り口の反対側の端には、鋭い目つきの怖そうな男と、やたら元気なピンクスーツの女がいた。
「結局来ちゃったよ…」
そして、入り口の端には我らが主人公。雛形洋司がいた。
幼少の頃に出会った「おてらのおばけ」に惚れてしまい、彼女と会いたいが為に霊能者となった彼は現在、念願叶ってその彼女とラブラブライフを送っている。
「ようじ、いやだった?」
「いおりちゃんの為ならばぁ!」
「えへへ」
で、その彼女というのが、今洋司の膝の上に座っているいおりだ。
幼い頃に死んでしまった少女の霊がおばけになったのだが、それ故に見た目は完璧に幼女。ついでに着物の色は赤。
現在は洋司の守護霊として、いつも一緒に暮らしている。
「あの、話聞いてる?」
そんな二人がいるのは、とりあえず秘密らしいが冒頭の通り。「サークル」というグループの本拠地だったりする。
「ねぇ、ねぇってば!」
彼らがここに連れて来られた理由の前に、サークルという組織が…
「話進めろやゴルァ!」
…すいません。
彼らがここに連れて来られた理由は、このやたらテンションの…コホン、ピンクスーツの麗しき女性(でもまだ十九なんだよ、てへ)が洋司の才能に目をつけ、上手く話をつけて二人を連れ込んだからである。
「はい合格」
…彼女の名前は式。名前か名字か分からないが式。この世界で唯一、本編中に話が出来るという、かなり高位な霊能者だったりする。
「式先輩?」
「何でもないのよ~」
まぁ、みんなには聞こえてないからただの独り言にしか見えません。
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