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ぱたぱた…
耳元で、小さな音が聞こえた。
もうなにもみえないけど貴方が泣いているのはわかる。私のために泣いてくれてるの?うれしいけど、やだよ。
―――――――――私は貴方を愛せていましたか?―――――――――
「…ッ」
ぎちりと全身の筋肉が軋んだ。痛い痛い、まるで動くことをしらない赤子のような身体。凄く寂しい夢を見ていた。光に慣れない目をあけると最初に見えたのは彼のネックレス。あれ、私まだ生きてる?でも彼じゃない。髪こんなに長かったっけ?あ、そっかこれは神様が見せてくれた最期なんだ。でも、どうしてそんなに懇願するように手を握るの?
「あと一ヶ月だって、あと一ヶ月たったら処分しろって…ボスも酷くねぇ?」
え?私の命って一ヶ月?酷いやボスったら、この間靴の中に画ビョウが入ってたことまだ怒ってるの?
「ボス声震えてた…。でもさ…お前苦しそうだから…俺らのエゴで生かすの嫌なんじゃね………だからさ早く起きろよ」
「なんで王子はお前を待たなきゃいけねーんだよ…頼むからさ」
「あき…と…」
ガタンッ。椅子が倒れた。
レオらしき人の顔が視界いっぱいに移る。また泣いてたの?仕方ないなぁ
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