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ここの路地は入り組んでいる。
予め下調べしておいたから、既にここら辺一帯の地図は頭に入ってるけどな。
さて、相手はどうかな。
右、左、右、また右、と足音を忍ばせながら歩いて曲がってを繰り返す。
……1人?
揺さぶりをかけてみたところ、後ろで気配を隠しきれずに慌てる相手は1人のようだった。
なら、ともう一度曲がったところで止まる。
「…何の用だ」
そろそろ出番かと思ったのか、まともな街灯もない路地で鈍く自身の光りを見せる相棒を相手へとつきたてる。
「ちょっ、ちょっと待てって、頭脳!」
俺より頭一つくらい大きな背に、この声…
「…何してるんだ、肉体」
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