…00・始めろ
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影もひっそりと身を隠した月のない夜、唯一の灯り、街灯を避けるように身動きした。 今回は焦る必要も急ぐ必要もないのに勝手に心臓は速まる。 慣れによって身についた足捌きにより目標の建物へと移動しそっと入り口を開けた。 キィ、と、小さく扉が悲鳴をあげた。 しかし、なんて建物だ。 こんな所に本当に居るのか? 通路の隅に開いた穴から鼠が顔を出すのを見て眉をひそめる。
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