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そっと歩を進めながらカチリと胸元から相棒を出し構える。
しかし、なぁ…
ふと昨日の状況を思い出していた。
情報屋は信用出来る。
今回だって、きちんと俺に情報を回してくれた。
そうだ、たまたま狙っていたものをこんな品のない所に持ち込まれただけだ。
しかし、何の障害もなく目的地に辿り着けたことに少なからず違和感を抱いていた。
上手くいくこと程つまらなく、恐ろしいものはない。
それでも速まる心臓は正直だ。
流石人間の核なだけあると思う。
息を吐き出し、少し下がった眼鏡を上げて、一息に錆びれた扉を開けた。
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