…00・始めろ

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ふふふっ、と口元を吊り上げ彼女は不敵に笑った。 「酷いわね。私に銃口を向けるの?」 「敵になるならな」 「これは私が苦労して手に入れたものよ」 きらりと手を翳している彼女の指が光った。 「……でも、珍しいわね…。貴方が目の前で奪おうとするなんて」 確かに、彼女の言う通りだ。 俺は、先に奪われてしまった場合は引き返し、後日作戦を練った上で奪い返しに行く。 目の前で奪うことも出来るが、地の利が分からない時はむやみやたらにふっかけないようにしている。 それが頭を使った怪盗だと思っている。 だが、今回は何故か引き返す気がしなかった。 俺の頭脳プレーもいかれたか? 思い付きで喋るのもいいとこだ。
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