…00・始めろ

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「……はぁ、」 誰も居なくなった小さな部屋に溜め息は意外と響いた。 宝は手に入れたし、もうこの場所に用はない。 結局使うことの無かった相棒を懐へとしまい、さっさと建物を出た。 今回は上手く行き過ぎた。 セクシーが先に乗り込んでいたとはいえ、敵という敵が居なかったのは部屋に転がっていた一体で確認出来る。 簡単に終わるのは楽だが、やはりスリルを求めてしまうのは性格の問題か。 それとも、俺も怪盗らしくなったってことか? 今度は街灯の光を背に浴びながら自嘲するかのように微笑した。 瞬間、目を細め、後ろの気配を確認し路地へと入った。
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