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「奏~!一緒に帰ろう」と無邪気な笑顔で女の子が声を掛けるが
「は?何でお前と? てか彼氏と帰れよ」と冷たく言い放つ彼。
皆川 奏はアタシの幼なじみ。そして大好きなひと。
だけど、いつからか距離を置かれてクールにあしらう奏に
嫌われてるのかなぁと自信を失う。
昔は「繭は絶対に将来は僕のお嫁さん」と言っていて
「絶対だよっ!」て指切りしたのも奏はもう忘れているかな?
こんなにも好きなのに好きって言葉を伝えることさえ出来ない
アタシって臆病者だよねとしょんぼりしていると
学校に着いて親友の真奈美に「どしたのぉ?今日は元気なくない?」
と鋭く突っ込まれる。
それもそうだ。昨日に奏に一緒に試験勉強しようって言ったら
断固、一言「嫌だね」とストレートに言われたのがショックだった。
真奈美にそれを話すと「アハハ(笑)奏くんは相変わらずだなぁ。」と笑う。
アタシは笑いごとじゃないんだからって真剣に真奈美に訴える。
「はいはい。まぁ、思春期だからさ恥ずかしいんじゃない?」
「しかしあんなに態度に出してるのにアンタも鈍感だね」と何か知っているかのように笑う。
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