14人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
すると桐島はくすりと笑って言った。
「さすがに学生気分は抜けてるよ。28だからね。でも男の28はまだまだ遊びたい盛りなんだ」
桐島があたしの腕を押さえ付ける。
「男の携帯、勝手にのぞくなんて……いたずらにもほどがあるよ?凛ちゃん」
「プライベート用携帯を仕事用と話しておけば、女は触らないものね。なかなか賢いじゃない?」
押さえ付ける桐島に強がって笑顔で返すあたし。力じゃかなわない、精一杯の抵抗。
「万が一触っても、データを仕事先のように登録して、ぱっと見て女とはわからないようにしてあった。あんた他に何人女がいるの?そのフットワークに感心する。野獣もいいとこね」
「よく感づいた。馬鹿女と侮って悪かったよ」
まぁ、気づいたのは偶然だったんだけど。
一見真面目な銀行マンの桐島は女の心理を巧みに使う、かなりの遊び人だった。
桐島がくすくすと笑う。
「お前だって俺に抱かれたくて寄ってきたんだろ?外資の銀行に勤めて、稼ぎも顔も頭もいい男。俺だけ悪者みたいに言うなよ」
最初のコメントを投稿しよう!