無代
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その体に小さな命を宿し、二人で夫の帰りを待ちわびていた。妻は待ちきれず、自国を覆う巨大な防壁の上の監視台の中から遥か彼方を見つめる。すると遠くの方で砂埃りをまき上げながら、こちらに向かってくる無数の騎馬隊を見つける。妻は夫が帰って来たと歓喜し、監視台の望遠鏡を覗く。しかしそこには、夫の首を槍先に刺し掲げながら、鬼の形相で攻め込んでくる敵国の悪魔が映った。そんな妻の兄は言う…
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