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白い息を吐き出しながら身を縮めて雪の上を踏み進んだ。
マンションにたどり着くとドアのまえで足を止める。
悠斗は誰もいない家に入ると上着を脱いで台所に向かった。
時計を見るともう8時過ぎだ。
台所を見回すが当然晩御飯などは用意されていない。
こんなことには、もう慣れた。
今頃、お父さんとお母さん、そして妹の沙耶はレストランかどこかで外食していることだろう。
悠斗は冷蔵庫から適当に使えそうなものを出して料理をした。
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朝、誰も起きてこないうちに家を出て学校に行く。
学校では誰とも話さない。
授業が終わったら近くの図書館で時間をつぶす。
晩御飯は一人で適当に済ませる。
なるべく家にいないようにして家族と顔を合わせないようにする。
これが僕の生活だった…。
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