ハメルンの笛吹

12/16
前へ
/134ページ
次へ
男は市長の家を出ると、ゆっくり息を吸い込み、角笛を吹き始めた。 ネズミの時とはまた違う、軽快でリズミカルな音色が町に響き渡った。 今度はネズミの代わりに家々から小さな子供達が出てきた。 手をつなぎ、頬を赤く染め、上機嫌で男の元に集まってきた。 大人達は慌てた。 「こら、おまえたち、ついて行ってはダメだ。」
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1362人が本棚に入れています
本棚に追加