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「…、…」
客間に通された、政宗を訪ねてきた客人- 真田 幸村は静かに城の主が来るまで鎮座していた。
【真田 幸村】
甲斐を統べる真田家当主。
甲斐を支配していた武田氏が死した際に後を継ぐようにして、若き神鳥は立ち上がった。
彼は<真田十勇士>を従え、ここ最近大妖退治に多大なる功績を残している。
一時、そうしていた彼はゆるゆると目を開けた。
そして力強い眼差しで前を見据える。
その瞬間、障子戸が開けられ政宗が姿を現した。
政宗は堂々たる姿勢で幸村の前に座り、目を向ける。
「わざわざ、このようなところまで大変だったな?
真田殿」
「いや、急に押しかけて申し訳ない伊達殿。
お手数をおかけして、お詫び申し上げる」
拳を着き深々と頭を下げる幸村に対し、政宗はくくっと笑う。
「あんたのおかげで頭が冴えたからちょうどいい。
…して?
話とはなんだ」
ここまで当主である幸村がわざわざ来たからには、それ相応の何かがあるはず。
しかも共も付けずにだ。
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