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「邪気、とか?」
「違う。そのようなものではない。…、…分からん」
んー?といつまでも小首を傾げている幸村に佐助も小首を傾げる。
幸村は勘はいい方だ。なんせ、頭で考える前に体が動く。
なので、野生の勘とも言える第6感の持ち主である彼が何かを感じたと言うのだから、政宗に何かがあるのは間違いない。
…それは、好奇心旺盛の佐助を動かすのに十分な話だった。
「じゃあ俺様外で見張りしとくからー。
ま、この城なら大丈夫だろうけど。
じゃねー」
「他の者を驚かせたりするんじゃないぞ!」
まるで子供に言い聞かせるような幸村言い種に佐助はむっと口を尖らせた。
「俺様ガキじゃないからねっ?
…ったく旦那ったら…」
呆れて肩を竦め去って行く佐助を楽しげな笑みを浮かべ、幸村は見送った。
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