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「あにさま、だぁれ?」
おおきな澄んだ空色をした瞳は、興味津々に佐助を見つめる。
昔の時代に好まれていた狩衣という服に似た若草色の着物を羽織り、短い髪は真っ直ぐな、月の光を宿したかのような色合い。
まるで自然がそのまま宿ったような印象を持つ、見た目6歳くらいのとても活発そうな男の子である。
…しかし一番目を引くのはなんと言ってもそのぴくぴくとよく動く耳と
ふさふさの、襟巻きに丁度よさ気なしっぽ。
…ん?
耳と、しっぽ?
「なんで耳としっぽが…?」
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