Page.4 「Bitter or Sweet」

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     今は日曜日の午前中。  わざわざ家まで来たのに留守で、途方に暮れていたら、不意に背後から声を掛けられた、というわけだ。  “遊びに来た”の一言を言うのも、素直じゃない僕にはなんだか恥ずかしく思えて黙っていると、彼は察してくれたのか慣れた手つきで鍵を開け始めた。 「まぁ、どうせ俺ん家来たんだろ? 上がれよ」  言いながら、さっさと中へ入ってしまう彼の後を、僕は慌てて追いかける。  1人暮らしの彼だけど、かなり広いアパートに住んでいて、たぶん親は金持ちなんだろうなぁ……とか、思っていたり。  だけど、彼は自分の家族のことをほとんど話さないから、本当のところはわからない。  勝手知ったる何とやらで、僕はいつものようにリビングのソファーにちょこんと座った。 「何か飲むか?」 「……ん、何でもいい」  そっけなく答えれば、彼はキッチンへと姿を消した。 .
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