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よくある休日の風景。
だけど今日は、ちょっと居心地が悪い。
というのも、今日僕の鞄の中には、ある物が入っているからだ。
「はぁ……。ちゃんと渡せるかな……」
不安になり、思わず溜め息混じりに呟いてしまう。
今日の日付は2月14日。
そう、言わずと知れたバレンタインデーだ。
やっぱり立場的には僕があげるもんなんだろうな、とか、思ってしまったわけで……。
けれどやっぱり、こんなことをするのは恥ずかしくてたまらない。
そんなことを考えていたら、彼がキッチンから戻ってきた。
両手に1つずつ持つマグカップからは、白い湯気が上がっていた。
「コーヒー。砂糖多めに入れといたから」
「……ありがとう」
彼は甘党な僕の好みを、よくわかってくれている。
受け取ったコーヒーに口を付けると、これでもかってくらい砂糖をとかされ、苦みの無くなった味が舌の上に広がった。
普通の人が飲めば、甘ったるいと言われるだろう。
だけど僕には丁度いい。
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