Page.2 「38.6度」

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    「……それは困るな」  ぽつりと呟いた言葉に、返事が返ってくる。  僕はびっくりして飛び起きた。 「圭!?」  視界に、腕組みをして扉に寄りかかる、彼の姿が飛び込んでくる。  学校帰りなのだろう、制服姿の彼は困った顔をした。 「お前がいないと、学校なんてつまらなくて仕方がないんだけど?」  普段の彼は、あまり感情をストレートに言葉にしない。素直に、嬉しいと思った。  だけど、それなら何で……。 「何で、来てくれなかったの」  上目遣いに軽く睨む。  すると彼は、あからさまに不機嫌そうな顔をした。 「は? うつったら困るから来んな、ってメールしてきたのはお前だろ?」  それを言われてしまったら、反論できない。  確かにそうメールしたよ?  だってテスト期間中だし、年に何度もお見舞いに来てもらうのも悪いし、わがまま言って愛想尽かされるなんてまっぴらごめんだし。  ……だけど、本当は来て欲しかったのに。 .
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