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「ふふ、僕は楽しみでしたよ。りんクンが弟って聞いてから雑誌も見てみました」 「これが弟かー、みたいな?」 「そうですね。前に一度見た時に気になってた子だったのでそういう意味では驚きましたが…」 やっぱり長いエレベーター時間を終えて一度上のフロアに到着。 ここが家、と案内されてカードが渡された。 「え、何これ」 「家の鍵がないと不便でしょう?」 「これ鍵なの?」 オレの知る鍵はカードなんかじゃない。 鍵は鍵の形した…ほら、あるだろ?よくある鍵。あれしか知らない。 ピッとカードを通して開いた扉にオレはなんかショック。 スタジオとかならともかく、家でもこういうのあるんだ。 「さ、どうぞ」 通された玄関広くて綺麗。廊下広くて綺麗。リビングも…やっぱり広くて綺麗。 「おーっハウススタジオみたい」 「…やっぱりモデルさんですね。その感想は初めて聞きました」 遠慮なく部屋をキョロキョロ。 肩をぽん、と叩かれて振り返るとお兄ちゃんが笑ってる。 ああ、クールビューティーってこういうの言うんだな。 美人スマイル。 「りんクンの部屋へ案内しますね」 そう言われて付いてくと、玄関から見て二個目のドアが開いた。 中にはオレの荷物と白を基調にした家具類。 気に入った。でも何か足りない。 「…あれ、ベッドは?」 「それだけまだ届いてないんですよ」 えー。まぁ今日の今日だし仕方ない…のかな。 でも疲れてたしベッドでゆっくり寝たかったのが本音だ。 思わず眉間を寄せるとお兄ちゃんに頭を撫でられた。 「りんクン、今日は僕と寝ませんか?」 「……え?」 「僕のベッドは大きいので不自由はないと思いますし…今日からは兄弟じゃないですか。勿論、りんクンがよければです」 今日から兄弟。 この言葉にそれならいいかって気持ちになる。 あんだけアンニュイだったけどお兄ちゃんも家も上々だ。 「うん、じゃあそーする。よろしく、お兄ちゃん」 軽く頷くとお兄ちゃんはまた笑った。この顔、マジ綺麗! お姉ちゃんじゃなくてもいいや。 ちぃちーの言う通り、オレは面食いみたい。 マジよかったー。 これならお兄ちゃんとうまくやってけそうじゃん。 明日ちゃんとみんなに報告してやろう。
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